常陸の国から療育日記

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zoom RSS 親の都合、社会の都合

<<   作成日時 : 2015/11/24 21:38   >>

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子供の出生前診断のこと。言ってはならないこと。これは場所と立場によって大きく異なります。
先日の障害児のお話もそうです。

医修士時代の講義。
不妊治療の講義話で、覚えていること。
「不妊治療でご主人が原因と分かった時に、そのご主人側が家の都合でどうしても子が欲しい、そして第三者の精子でも良いので奥さんに子を持たせたい、と希望している。しかしこういう例で一番問題になった事例は分かるか?」という質問(突き詰めたら、その第三者の・・・って間男ではないか、とワタシ思ったのですが)。

その第三者が嫡出子を持った時に、不妊治療で出来たお子さんとであって恋愛関係に、とか学生は言うでしょ。私もそう言いました(なんて純真)。

しかし、正解はその子が障害児だった時。家を継がせたい、自分が駄目ならせめてヨメの血だけでも繋がっている子にお願いしたい・・・しかし・・・・。こういう時は離婚にまで発展することもあるそうです。

まさか誰も我が子が障害児と思って孕むわけではない。
恥ずかしながら私も、子には研究者になって欲しいと切望していました。
年齢が年齢でしたので、やはり検査は受けました。まだ優生保護の名残がありました。
検査の時に、こういう妊婦さんと会いました。
「既に健常な男の子が2人居る。父親も高齢なので3人目に障害があったら上2人の子供の学費も払えなくなる。すべての子たちの将来が不安になります。だから検査結果でクロと出たら堕ろします」。

親は「今の家族」を活かすために、泣く泣く悲しい選択をすることもあるのです。
(もし障害を持ったお子様でも、社会がある程度のフォローをしてくれると分かっていたら、彼女はきっと検査は受けなかったと思うのです)

そして、検査でわかるのはダウン症などの染色体異常だけ。(たしかイツがお腹に居る時に、ヨーロッパで染色体異常を持ちながら先生になったという例が報道されて、すごくうれしかったことを覚えている)
でも・・・自閉症は検査では分かりません。
ゲノムプロジェクトでも単一遺伝子に依存するものでは無いと結果を出していますし、一卵性双生児(遺伝的には全く同じ)であっても一方だけが自閉症の例もあります。

いっちゃんのような重度の知的障害の子を育てるのは本当に辛いです。
正常の子が欲しかったと何度も思いました。目が覚めたらいっちゃんが普通の子になっている夢を何回見たことか、それは数えきれません。

自分の経験や希望や思いを考えると、障害が初期に分かれば(命の選別の有無も合わせて)、産まれて直ぐに出来る療育や、将来への覚悟も含めて「良いこと」と、思うこともあります。特に早期療育によって(アメリカのように)ABAで半数以上が普通近くに成長するエビデンスも存在しているのです。それは小学校以降の公費の節約とも相容れるものと思います。でも・・・やはり「親の都合」が大きいとも感じるのです。

更に、障害児者は、やはり「特別に予算(お金)」が必要になってしまいます。公的にも私的にも。
その事実の方が障害の内容よりも、一般には知られているように思うのです。
いわゆる「迷惑」。自閉症と特性を知って欲しいとは真に思うのですが、一般には金銭的な負担の話しが先ず出てきてしまい、その結果家族(主に親、兄弟)が肩身の狭い思いをすることになってしまうのです。

確かに昔・・・明治のころは「富国強兵政策」が必要でした。井上友一氏の言うがごとく。
先日主人と出かけた歴史館の展示「日本外交のあゆみ」を見てきました。改めて開国当時の屈辱的な不平等条約、そして日露戦争の勝利によって列強が手のひらを返した事実。生の資料。歴史に詳しい主人と何時間も見入りました。
「福祉なんて言ってられねえよ・・・」という時代だったんだな。・・・・これは国と社会の都合。
でも今は、そういう時代では無いんだから。難しいことはある程度は社会に甘えようとも思っていいのではないでしょうか。

しかし・・・まだ古い考えを引きずっている自分がいます。
先ずは自分が変わらないと駄目なのですね。

そして・・・ここで長々と綴ったのは、「悲しい選択」をされた方も決して責められることないように、という気持ちがあります。「障害児者の出生を減らすべき」という発言に憤る反面、何が何でも親が全て抱え込んでも生むべき、も、どうかと言う想いが、私にはあります。どの選択を選んでも「全面的な不幸」が起こらないように、と祈るばかりです。








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